森の守人 第一章

□イケメン登場
4ページ/7ページ



美守はゆっくりと近づいた。



「八王子、君也さん」



そして、八王子の耳元に口を近づけた。



「(あんな接近したら!!離れろ!!)」


「(なんかムカつく…)」


男二人は苛立ちつつもなんとか押さえていた。



「一つ、聞かせて下さい。何故私を…?」


「そりゃあ…君があそこで一番弱そうだからさ」


「「!!」」



その言葉に反応したのは、美守じゃなく時人と志々尾だった。



妖は乗り移ったら身体能力も格段にあげてやるなど勝手な事を言っている。



「…ざけんなよ」



呟いたのは時人。志々尾は驚いて見た。
時人の眼は緋色に染まっていた。心なしかオーラがどす黒い…。



「ま、待て!!」



しかし既に遅く、時人はあり得ない速さで妖を八王子ごと結界でぶっ飛ばしていた。



「え!?」



美守は一瞬何が起きたか分からず、焦っていると、時人に気づいた。



「時人!?」


「待ってろ美守。今その男を排除する」


「いやいや!!その人操られているだけだから!!
ていうかなんで此処に!?いつからいたの!?」


「気にするな」


「答えになってない!!」


美守は時人につっこんだが、時人は無視しつつ、八王子に近づいた。



「動くな」



八王子の持っていたナイフを構えて言った。



「てめぇには聞きたい事が山ほどあるぜこのノミムシ野郎」


「(なんか時人…本格的に切れてない!?)」


美守はそう思った。



「(…アイツは敵にまわしたらヤバいな)」



志々尾も感じたらしく、冷や汗を流しながら思った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ