森の守人 第一章
□危険な転校生
1ページ/8ページ
「さあ、美味しい紅茶が入ったよ。」
この日、美守と時人は三能たつみに話があると言い、指導室え来ていた。
が…
「嬉しいなあ、君達の方から声をかけてくれるなんて…ああ…今日は一段と朝の光が美しい…」
「好きで呼んだわけじゃねえよ…」
「まあまあ時人…」
今にも切れそうな時人を美守がなだめる。
「先生、いいんですか?指導室をこんな私物化して…」
「私物化だって!?バカな、僕はただ居心地のいい空間を作ろうと…」
「生徒指導室でくつろいでどうすんだ?指導の意味分かってんのかテメエ」
「時人…」
もはや口調も素になっている時人。
目に赤みがかかっているのは気のせいじゃないだろう。
「まあ、確かにね…僕も、この部屋の存在には疑問を持っているんだよ。」
「「???」」
「だってこの学校には…
指導の必要のある生徒なんて1人もいないじゃない!?」
もはや言葉も出ない二人。
「美守…俺はもう帰りたい。
こんな奴に何か言って意味があるのか?」
「…………」
美守もまた時人と同じようなことを思っていた。