森の守人 第一章

□対立
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「はあ…」


「(5回目…)」



教室に戻るなり、美守はため息ばかりだった。



「(具合悪そうだったしな…でも一体何があったんだ?いや、ここは聞かないほうがいいのか???)」



声をかけようか悩む市ヶ谷。そこへ…



「よっ、墨村。授業いなかったけど具合悪かったのか?」


「田端くん…うん、ちょっとね」



まさか転入生と争っていた(一方的にやられただけだが)とも言えず、苦笑いを溢した。



「(志々尾くんはこっちについてくれるし…でもあんな嫌われてたら…)」



考えてると、ふと気づいた。



「(私…あの人のこと何も知らないんだよね…)ねえ、田端くん。志々尾くんって男子知ってる?」


とりあえず、情報に詳しい田端に聞いてみることにした。
夜行で、ましてや自分も知らないことを彼が分かるわけもないのだが、とりあえず聞いてみることにした。



「ああ、1組に転校してきた奴だろ?」


「うん」


「志々尾限ね…本人割と無口らしくてさ〜、いろいろと謎がおおいんだよねー」


「転校初日じゃそうだろう」



謎ってなんだ、とつっこむ市ヶ谷に普段なら同意する美守もさすがに今回は何も言えなかった。



「(実際にそんな感じの性格してたからな〜…)」



情報によると、どうやら1人暮らしをしているらしい。



「(裏会の人ならありえるかも…)」


「墨村、志々尾と知り合い?」


「え?あ…少しね」


「どんなやつ?」


「う〜ん…」



冷たい人、怖い人、無愛想な人

どれもあてはまるようであてはまらない。



「無口…かな」


「ふーん…まあ他の人の印象も、無口、無愛想、怖い、近寄りがたい…なんてのが多いな」



ほとんどが美守も考えてたものばかりで、苦笑した。



「ただ、尖ったナイフみたいな雰囲気がいいと一部の女子に大人気」


「例えがピッタリですごいね…」



関わったらいじめられそうだと思った。(美守も人気が高いので恐らくないと思うが…)



「もう一回話してみようかな…」


「志々尾なら帰ったってさ。早退らしいぜ???」


「(よく調べたなあ…)分かった」



とりあえずHRが始まるので、帰ったら考えようと思った。
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