森の守人 第一章

□正統継承者
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「結!!」



美守は結界をはり続けるが、あまりのスピードにはることができない。



「(あの速さ…囲うにも攻撃を当てるのもやっかい…しかもあっちから攻撃を仕掛けてこなくなったし…逃げ回って力をためるつもりだよね…)」



さっきと同じ手も使えないので、頭を悩ませていた。すると…


ガシッ



「え!?し、志々尾君!?危ないよ!!?」



自分の結界にぶら下がる志々尾に驚いた。



「お前の技術じゃ奴の動き、止められないだろう」


「う…」



自覚はあるが、こうもハッキリ言われてしまうと傷つくものである。



「奴のスピード上がってきてるぞ」


「分かってるけど…(なんか登ってるし(汗))」



その瞬間、

ヒュッ



「……へ?」



志々尾は妖に向かって飛んでいき、掴んだ。



《キョ。フン、振り落としてやるよゥ》



妖は鋭く回転しはじめたが、志々尾は離れない。



「し…志々尾君…無茶苦茶すぎるよ…」



志々尾の姿に冷や汗をかきながら美守は見ていた。










「妖混じり?」



下では時人が白尾から説明を受けていた。



「あのガキがか?それって普通のバカな異能者とは違うのか?」


〈トッキー毒舌だな(汗)でもまぁ、異能者に普通なんてねえが、少しな〉



妖混じりは己の体内に妖の力を宿している人間だと説明した。



〈だから奴は、その肉体にこそ力を持つ〉



妖混じりの特徴は二つ



〈驚異的な身体能力。そして…驚異的な回復能力〉


「つまり、恐ろしくタフってわけか」


〈トッキーの言う通り、簡単に言えばな〉



まあ人間にしちゃだけどな、と白尾は言った。



「それでもこの土地は見方してくれるはずだ」


「…それはここにいちゃマズイんじゃないのか?」


〈いや、器があるからな…無闇に変化しなきゃ、そこまで影響は受けないだろうが…〉



志々尾が飛び上がった時、足も変化しているのが見えた。



「…ホントに大丈夫か?」

〈うーん…少し気をつけといた方がいいかもな…でもあいつ、ちょっとスゴイぜ。〉


「?」
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