森の守人 第一章
□黒芒楼の宣戦布告
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「はぁ…」
昼休み、美守は屋上で頭を抱えていた。
理由は昨日にさかのぼる。
〜昨日〜
「なんで時人にそんな事言われなきゃいけないの!?」
理由は美守が背後の敵に気づかず、時人が庇った事から始まった。
いつもなら、気をつけるように言う時人なのだが、今日は機嫌が悪かったらしい。
「なんでイライラしてるのか知らないけど、私に当たらないでよ!!」
「俺がいつあたった?いつイライラした?俺は忠告しただけじゃねぇか!」
「じゃなんで目の色変わり始めてんの!?」
志々尾は少々驚きながら、その様子を見ていた。
「あいつらも喧嘩する事あるんだな」
〈でも、下手に止めない方がいいぜ?〉
〈火花が飛んでくるからねぇ…〉
なんだか遠い目をしている斑尾と白尾。
どうやら過去に何かあったらしい。
しばらくして二人がどこかへ行ってしまった。
(バラバラに)
「お前ら行かないのか?」
〈あたしゃいいよ。しばらく雑魚探して食べてるよ〉
〈俺もだぜ…あいつと二人きりはゴメンだ〉
二匹はそう言い、志々尾もその日は二人に話し掛ける事はなかった。
そんな事があり、流石に頭が冷えた美守は、どうしようか頭を抱えていたのだった。