森の守人 第一章
□監視者
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「そこで何をしてるの!?」
男は美守に気づくと、あり得ない速さでフェンスに立った
「なっ…!!待っ…!?」
男の右腕の中から妙な、しかし確実に人間のものではない、もう一つの腕が飛び出し、伸びた。
「あの人絶対人間じゃないって!!」
結界をはりながら追い掛けるが、なかなか捕まらない。
「もーっ!!本当に下手だ私っ!!」
男は一瞬止まり、構えた
「タメが長い…ってああ!!」
男の腕は森の奥深くへと伸びていた。
「どこまで伸びるの!?」
男はトンッと軽く飛ぶと、森の中へ入っていった。
「逃がさないからっ」
美守は男がいるであろう位置に巨大な結界をはりつけた。
「流石に捕まえたと思うけど…どうしよう」
このまま滅してしまうわけにもいかず、美守はうーんと悩んだ。が、
ピシィッ
「え?」
ガクン
ズゥゥゥンッと、結界は消え、美守は慌てて周りに結界をはった。
「あ…危なかった」
が、背後の気配にバッと振り向くと、そこには男が変形した腕を構えて立っていた。
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