森の守人 第一章
□危険な転校生
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「あの腕の皮どうした?」
「おじいちゃんに渡したよ(斑尾が)」
「調べるとか言ってたろ」
「なんか、つてがある感じだったよ」
時人はふーんと言うと、こっちも調べると言っていたと言った。
「そっか…」
美守が目を擦るのを見て、少々心配そうに聞いた。
「眠いのか?」
「ん…大丈夫」
目を擦る美守を見て、泣いていた頃の美守と被って見えた。
「(いつからか、泣かなくなったな…涙を見ることがなくなった)」
“もう誰も傷つかないですむから” ね…相変わらず根が優しくて甘っちょろいのは、あの時と何も変わらないんだな…
「時人?」
けど…できればそういうところは、
「時人〜!何笑ってるの???」
何も変わらずにいてほしいもんだな…
「なんでもない。」
そう言って頭を撫でてやれば、嬉しそうにするのも
「あー!!次移動だ!じゃあ行くね!!」
「あぁ…」
何も、変わらないでほしいんだよ…美守
時人はしばらく走る美守を見ていたが、やがて見えなくなると、ゆっくり歩き出した。
「久しぶりに屋上でも行って寝るか」
背伸びしながら呟いた。