森の守人 第一章

□危険な転校生
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「墨村眠そうだな〜」


「田端くん…そう見えるのかな?」


「あぁ、オレも思うぞ」


「一ヶ谷くん…まぁ外れてはいないけど…」



そんなに言われるほど眠そうにしていたのかと思うと少し恥ずかしい。



「美守〜!アンタも一緒行かない?」


「ん〜?どこに?」


「隣のクラスよ!転校生来たんだって!!」



どうりでアヤノとキョーコが反応するわけだと思い、苦笑いした。



「やめとくよ〜」


「そう?じゃユリ、アヤノ行こうよ」


「えー!!美守ちゃん行かないの?」


「ゴメンユリちゃん…私寝てるよ…」


「睡眠不足は肌に悪いわよ!美守」


「はーい」



返事をすると、机に伏せた。物凄く眠かったらしい。しかし、同時に具合も悪くなっていた。



「(昨日術大分つかったしなぁ…)」



元々体の弱い美守からすれば、いくら修行してるといえど、反動が大分辛いらしい。



「(ダメだ…式神おいて屋上に行こう…)」



美守は一度そこを離れ、式神を出すと屋上へ向かった。

どうにも、保健室は空気が苦手だ。



「落ち着く…」



美守はそのまま眠りに落ちた。
















それからどれほどたっただろうか。

ザワッ



「!?」



美守は一瞬感じた邪気で目が覚めた。



「(式神が消えた…ううん、消された?確かに今日のは少し弱かったけど…あきらかに嫌な感じがした)」

  “偶然じゃない”


ピキーンッ



「(邪気!?)」



急いで向かい、ついた先には大きな爪の痕が壁に残っているだけだった。
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