森の守人 第一章

□限と恋のアタック
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〜次の日〜


「あ、ああああのっ!!美守ちゃん!!」


「Σ!?」



学校でボーッとしていると、突然声をかけられ、ビクリと震えた。



「ど、どうしたの?」


「ちょっと来てっ!!」



美守はわけもわからずユリに屋上へ連れていかれた。









「それで?」


「実は、私の友達がゆうべ屋根を飛んでいる志々尾君を見て、一目惚れしちゃったらしいの!!」


「(ああ…ユリちゃんだったのか…って)え!?」



一目惚れ。美守にとってはなったこともない話だった。



「それで?」


「うん…私っ、あの人絶対ヤバイと思うの!!」


「…」



ユリの言い分もわからなくはないが、ちょっと複雑な美守だった。



「ところで、だれなの?その女の子って」


「隣のクラスの品川葵。美守ちゃんも知ってるハズだよ?」



品川葵。絵のコンクールなどでよく出してると聞く。
そして美少女。



「品川さんか…」


「どうなんだろ…でもあの人はやっぱり危険だと思うんだ!!」



確かに…というか、志々尾は恋愛などに興味があるのだろうか?



「…まぁ、その子が好きなら放っといても問題ないんじゃないかなぁ?」


「…葵は、私の幼なじみなんだ…だから、やっぱり心配だし…」



その言葉に、思わず後悔してしまった。



「(私…無神経なこと言っちゃったよね…)」



美守の幼なじみの時人は男なので、正直よく分からないのだが、女の子の幼なじみとなれば話は別なのだろう。



「とりあえずもう一度ちゃんと話をしたら?」


「うん。絶対葵を納得させてみせるよ!」



そうじゃないんだけど…と思ったが、あえていわないでおいた。
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