短篇

□たかすぎくんの憂鬱
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2012 銀誕 攘夷時代 ギャグ







いったいいつの間に。


いつの間に俺の身長抜かしやがった銀時テメェ!!!












「………いや、知らねぇよ」

「………成長期だからな」

「丁度今日で十六じゃからな」


アハハハハハ、高杉は銀時より年は上のはずなんじゃがのー、個人差かのー、と笑う坂本をとりあえず足蹴にしておく。


「銀時テメェ兄貴である俺を上から見下ろしていいと思ってんのか」

「それ以前に兄としての威厳が無ぇから問題無い」


あっさり切り捨てられた俺を桂と坂本が哀れような目で見てくる。
それどころかニヤニヤとしている。


ぶ ん 殴 り て ェ………!!


「まぁ、成長期だから普通のことだろ」

「つか別に身長なんざどうでもいいだろ?刀振り回せりゃ」

「弟より小せェ兄貴なんざ恰好つかねェだろうが」


それに何か嫌な予感がする。
ここで見逃したら一生後悔するようなヤツだ。
十年後かそこいらの辺りでネタにされるような予感がする。(どういう予感だと聞かれてもそういう予感だから仕方ねェだろ)


「晋ちゃんめんどくせぇよ?」

「貴様も武士なら武士らしく潔く諦めろ」

「これだけは譲れねェ」

「しつこい男は女子から嫌われるぜよ」


はぁ、と三人同時にため息なんざ吐きやがった。
ぶっ殺してェ位腹立つ。
つーか晋ちゃん言うな。


「兄貴ポジションをいい加減諦めろ」

「それだけは譲れねェ」

「おんしが譲れんのは身長の事だけじゃなかったがか?」

「兄貴的立ち位置+aで身長だ」

「もともと持っていなかっただろう」

「生まれた時からきっと持っとらんかったの」

「だよねー」


ぷぷっ、と笑うこいつらに頭の血管が切れたような音がした。
いや切れてたら死んでるが。


「俺は!絶対ェ!諦めねェからな!!!」


バンっ、と障子を締めて立ち去る。
銀時がデカくなるのならば俺が更にデカくなればいいだけの話だ。


「今に見てろよ銀時ィ…………!!」





















一方。



「………なんだったの一体」

「まぁ、兄としては見過ごせないものがあったのだろうな。」

「そういうもんかね?」

「そういうもんぜよ。おおかた牛乳やらめざしでも買いに行ったんじゃろ。(もう身長が伸びるとは思えんが)」

「努力は酬われるというしな。(酬わないこともあるが)」


俺にはわかんねぇや、と思考放棄。

まぁ、俺としては別に高杉が俺より小さかろうと大きかろうと高杉には変わりないわけだし、と思う。

というよりもそれより気になることが俺には今ある訳だ。


「言い遅れたが銀時、今年も無事に年を重ねることができて良かったな。」

「誕生日おめでとさん」

「あー、さんきゅー」


にへら、と笑って返せば、気のない返事だな、とヅラに苦笑された。
というかそれもそうなんだけど、


「結局俺晋ちゃんに何も言われてねぇや。」

「「………あ。」」











〜たかすぎくんの憂鬱〜

(そういえば祝いがまだだったなァ銀時ィ、仕方ねェからこれやるよ)
(………お前の余っためざしを渡されてどういう反応をしろと。)






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