捧げ物

□壊レタ何カ。
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血生臭い戦場。


そこらじゅうに転がっている仲間。


それは、夢というにはあまりにもリアルだった。


嗅ぎ慣れたはずだった血の匂いに、吐き気がした。


今、自分の背中には、負傷した仲間がいる。


例え夢であったとしても、助けたかった。


「待ってろ………今、助けるから……」

「いい……俺はもう助からない……お前は行け……」


後ろにいる仲間が、どんどん冷たくなっていく。


最近、毎日この夢を見ていた。

毎日、助けることができなかった。

それでも銀時は、助けたかった。


「俺が助けるから………」


そう言うと、後ろからクツクツと笑う声が聞こえた。

「助ける?何を言っている。お前が何かを助けられたことなんてないだろう?」

後ろを振り返ると、背負っていた仲間は骸骨となって、クツクツと笑っていた。


周りに転がっていた屍も、クツクツと笑い、銀時を見ている。


「お前には何も護ることなんてできやしないさ………」

「護るどころか、お前といると、俺達まで殺されるんだよ………」

「お前は厄災を呼ぶ鬼だ………」


周りの屍が、口々に銀時を非難する。

「違うっ!俺はただ護りたいだけだ!」


「捨てちまえよ………お前の背負ってるものなんか、護ることなんかできやしねぇんだ………」


そう言って、後ろの骸骨はケラケラと笑い出した。


そして、周りの屍もケラケラと笑う。



「捨てちまえ………お前は護るなんてできねぇんだよ………お前は壊すことしかできないただの化ケ物だ………」



「違………う………俺は……化ケ物じゃ……ない……」



その言葉を聞くと、後ろの骸骨は、銀時の肩に刀を突き刺した。


「グァァァッ!!」

ポタポタと紅い血が地面に落ちる。


「白夜叉…………お前が護るものなんて、もう何もないんだよ………」



後ろの骸骨はカラカラと笑い、刀を引き抜いた。


そして、周りにいた屍も刀を銀時の足に突き刺した。

その瞬間、夢とは思えない程の激痛が銀時を襲った。




「ア゛ア゛ア゛ア゛ァ!」

































































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