捧げ物
□安心できる場所。
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真選組屯所。
そこはいつもより騒がしかった。
「おい山崎ィ、早く来なせェ。」
「あ、はいっ!」
沖田に呼ばれた山崎は廊下を走り、沖田のいる所まで来ると、障子を勢いよく開いた。
「サド、ジミー!銀ちゃんが、銀ちゃんが!」
山崎の目の前にいるのはボロボロと涙を流しながら赤く染まった布団を握りしめる神楽だった。
その傍らでは新八が大丈夫だから、と神楽の背を撫でている。
「眼鏡、旦那は一体どうしたんでさァ。」
「それが、僕達が包帯とかを借りに行ってる間にいなくなってて…」
先程、何があったのかわからないが負傷した銀時を新八と神楽が此処まで連れてきたのだ。
病院に行けばいいだろう、と土方が言ったのだが、病院より此方の方が近かった、と言う為、近藤や沖田が説得して中へ入れたのだった。
しかし神楽や新八が手当てしようと準備している間に銀時は忽然と姿を消したのだ。
「沖田さん、銀さんあれだけの怪我をしてたのに、なんで…」
「さぁ…俺には全く分かりやせん。」
一体銀時は何処へ消えたというのだろうか、沖田は考えてみるものの、全く持って思いつかなかった。
「とりあえず、まだ遠くには行ってないでしょうから、探しましょう!」
「そうだな、とりあええず一番隊で探してきまさァ。」
「僕達も行きます!」
そう言うとその場にいた四人は立ち上がり、廊下を駆けていった。