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□空想い人
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 見上げた空が、何時になく綺麗に見えたから…
もっと近づきたくなったんだ。

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「アキラ?」


 歩みを止めた隣人を、不思議そうに振り返る。


「どうかした?」
「いや…」


 上を見上げていた視線を、地面へと戻す。
空の青さの残像が網膜に焼き付いて、目の前がチカチカする。


「大丈夫?」
「あぁ…今日は眩しいな」


 同意を求められ、そうだねと頷く。


「そうだ。あそこ、上ってみない?」


 あそこ、と指し示された方を見やる。
街中にある、なんの変哲もない公園。
 その中に佇む、小さなジャングルジム。


「なんで、あんなとこ…」
「ん〜…なんでだろう…多分、子供の頃の記憶…なのかなぁ…」


 立ち尽くしているアキラの手を掴んで、歩き出す。


「ちょっとでも高いところに上ったらさ。その分だけ、空に近づけるじゃない」


 なにが言いたいのか見当がつかなかったから、言わせるままにした。


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