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□何気ない日常
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シンクにカップを置いて、大股に布団に歩み寄る。
そのまま、横たわる身体を軽く蹴飛ばした。
「ん、ん〜?」
だが、軽い衝撃に寝返りを打っただけで、目を開けない。
「起きろ」
横向きになったことで露になった肩目掛けて、先程よりも強い蹴りを入れる。
「…ッ! いったぁぁぁ……ぅえ? な、なに?」
「なに、じゃない。さっさと起きろ」
目を擦りながら、のそりと身体を起こした同居人…ケイスケを見下ろす。
「おはよ、アキラ。早いね」
「早くない。もう昼だぞ」
え、と慌てて枕元の時計を振り返る。
時刻は、10時を少し過ぎた辺り。
「あの…昼っていうには、まだ早いと思うんだけど…」
ごにょごにょと反論しながら、更に語尾を小さくする。
「いい天気なんだから、布団干すぞ」
「あ、うん」
布団から出て、今しがたまで寝ていたそれを軽く折りたたむ。
持ち上げる動作をするのを見て、アキラは一番日が当たる方角の窓を開けた。
「よ…っと」
ばさり、と敷き布団を手摺に掛ける。
形を整えながら、被せていたシーツを剥ぎ取った。
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