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□ケモノノカラダ
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チャイムのけたたましい音に、盛大に身体を震わせて目を見開いた。
なんだかおかしな夢を見たような気がするが、はっきり覚えていない。
来客を知らせるチャイムは尚も響き続け、一向に止む気配はない。
安眠を妨げられて不機嫌そのものを張りつかせたまま、玄関のドアを開けた。
「あ、アキラ…ごめん、起こしちゃった? って…え?」
ドアの外に立っていたケイスケが、目をパチクリさせている。
「アキラ、それどうしたの?」
「それってなんだ」
指を突き付けられた先を追って視線を動かすが、何も見えない。
「なんだよ」
「それ…耳? え…コスプレ?」
コスプレってなんだよ、とぼやきながら頭に触れた。
「!」
目を見開き、目の前の幼馴染を放り出して洗面所に駆け込む。
「な…夢じゃ、なかったのかよ…」
そこにはしっかり、灰色の耳と尻尾がセットで残っていた。
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