「私立生華学園」そこは男子校であるのに、中・高合わせて生徒数5000人越えの超マンモス学園である
何故ゆえに俺こと単なる平凡高校生「三條紅葉(サンジョウクレハ)」がこんな場違いなスーパー学校に入学した…いや、させられたかと言うと――
++++回想++++
「それじゃ、お母さんお父さんと一緒に新婚旅行に行って来ます☆」
母上様あああああっ――!?
「はっ、今なんて!?新婚旅行!?初めて聞いたよそんなことっ!!」
「だって初めて言ったもん♪」
なにがもん♪だよっ!!いい年こいたおばさ―『何かいいましたか…紅葉さん?』
絶対零度の微笑みで俺を見つめてくる。視線が凄く痛い。くっ、不覚にも心の声を読まれたっ!!
「…お母さん達…あなたを産んでから忙しくて新婚旅行なんて行ったことが無かったんです…。それで丁度商店街で福引きを貰って試しにやってみたら、なんとハワイ1週間の旅が当たっちゃいましてね☆」
なんて強運…っ!!
アレッ?するともしかして…
「今から肝心な事を聞くケド、勿論そこには俺の分も入ってんだよね…?」
「………。二人分ですよ?(ニッコリ)」
お母さんんんんんんっ!?
「はぁっ!?じゃあ育ち盛りの俺はこれからどうやって生活するんだよ、掃除に洗濯、家事まで男の俺にやれってことっ!?」
母は満面の笑みを浮かべ誇らしげに答えた
「『いえーすっ!!』と言いたい所ですケド、お母さんその辺はきちんと考えてます」
落ち着け俺。ここでツッコんだら奴の思うツボだぞ俺っ!!ここは母親の意見を聞いてから俺なりの答えを出すべきだと自分に言い聞かせる
「…聞きましょうか、母上様?」
口を開くと同時に母からの爆弾発言を聞くことになった
「紅葉さんには学校を変わって頂こうと思ってます」
「………。なんてドッキリ?」
「現実を直視してくださいね」
あまりにも突拍子のない事を言われた為、自分の耳がおかしくなったのかと思った
「いっ、今なんて?」
口を開こうとする母を見て不吉な予感が全身を駆け巡る
「紅葉さんには学校を―『あっ、あ―もう大丈夫、もう言わなくていいからっ!!』」
「も―、紅葉さんがもう聞いてきたんですよ?」
「そりゃ聞きたくもなりますよっ!新婚旅行の為だけに学校まで変えさせるのっ!?」
母親の行動力にビックリだ!!
「そうですね、でもその学校は全寮制なので紅葉さんにきっと生活力をつけてくれるでしょう。知り合いのツテでこれから紅葉さんには『私立生華学園』に通って頂きます」
「『生華学園』って自由な校風で超有名なあの!?」
紅葉は、学校などに興味は無いが自由な校風で青春を送る学生にはのびのびとした環境を与えてくれる『生華学園』はどの中学でも有名で憧れてはいたのである
「はい、段取りは整えて有りますから明日から通うようにしてください」
「明日っ!?そんな急に!?」
「はい、くれぐれも学業は怠らないように時々チェックしますから…いいですね?」
「さ―、いえっさ―」
++++回想終了++++
で、今に至る
ちなみに俺は今迷子です☆
「こ―こ―は―どこでしょうね―!?」
ホントどこでしょうね、ココは。何故に疑問形?とツッコミたくなる気持ちは良く分かる。だが同じ場に遭遇したらきっと同じ行動を取るだろう
当然のように返事が返ってこない。ちっ、やっぱり疑問形がまずかったか、とも思ったが理由は別にあった。
今日は日曜日でもともと人通りが少なく尚且つ朝の6時だったからだと後々気付くことになった。人は少人数いるが、殺伐としているためから、とても話し掛けれるような雰囲気ではないため迂闊に近付けない
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