最高恋愛?
□ありきたりの日常、ありきたりの出会い?
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誰もいないこじんまりとした部屋に「行ってきます」と小さくひとこと言った後に遅刻だと改めて思い出し、全力で走るハメになってしまった。
結局、初日から片手にパンかじって「行ってきます」という王道パターンになってしまい、自分の性格に嫌気がさす
(こういうシチュエーションの時って必ず可愛い女の子が走って来てぶつかるんだよなー)
自分でも「どんな少女マンガ!?夢見すぎだろっ!!」と一人でツッコミたくなるのだが、本当に現実にあるのだろうかと少しの疑問と興味も沸いてくる
もし本当にあったらどんな可愛い子とぶつかるんだろうか…。やっぱり純粋な可愛い子系…? 一人でそんなことを妄想しつつ、角を曲がろうとした時…―
…ドンッ!!
全身に鈍い痛みが走った後、本当に誰かとぶつかってしまったことに気付いた
(うわーやっべっ!!直ぐに謝らないとっ!!)
そう思い目の前を確認すると相手は既に視界からいなくなっていた。いや、はなから倒れてはいなかった。立っていたのだ。何はともあれ相手に謝ろうと顔を見上げると…―
コイツ、身長何pあるんだよっ…!!
不覚にもそれがこの男に対する第一印象だった
黄金比とはこの男の為にあるのではないかと思わされるようなスラリと伸びた手足。人々の視線を集めないわけがない端麗な容貌。何よりも一番人目を引くのがあの整った顔だろう。
…とてもじゃないケド。比べられないッ…!!つーか、あんなのは反則だろう!!せけーよ、神様っ!!俺が普通よりも身長が低いのは単なる嫌がらせかコノヤロー!!
などとブツブツ呟きながらずっと見ているにはいかないため、ここは前方不注意だった自分が謝るべきだろうと思い咲月から話しを切り出そうとした時、驚きにも向こうから話かけてきた
「おい、あんた大丈夫か…?」
どこか、いらずらっぽい笑みを浮かべながら男が手を差し延べてきた。
本来なら笑われたことに対して怒るはずなのに今はどうしてかそういう気にはなれなかった。…別の意味で腹は立つケド。とにもかくにもイケメンが手を貸してくれたので終わり良ければ全て良しと思い、さっきまでの意見を帳消しにしようと思う
俺は大人しくその若い男に助け起こされることにした
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