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□beautifuldays
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「精市っ!!!見て見て!!今星が流れたよっ」
「あぁ、本当だね…すごく、綺麗だ」
私と精市は夜の公園にいた。
この辺りは空気が澄んでて星がよく見える。
私はこの景色をどうしても精市に見せたいと思ってた。
黒い絵の具に白をぶちまけたような…この空を。
―…最近の精市は元気がない。
精市にはもっと元気でいて欲しいのに。
もっと笑っていて欲しいのに―…
だから…
ここに連れてきたんだ。
私の大好きな、星の見える公園。
星を見たら、きっと元気になってくれる。
そう、思ったから…。
「ね、精市」
私が名前を呼ぶと、優しく微笑んでくれた。
けどやっぱりどこか疲れてるような…そんな笑みで。
私は苦しくなった。
「無理しなくていいからね?
最近精市あんまり笑ってないでしょ…
私全部知ってる。
精市が悩んでるのも、不安になってるのも知ってる…
だから、だからねっ―…」
まだ全部言い終わってないのに、精市が私を抱き締めた。
突然の出来事に私は唖然と精市を見た。
精市の顔はなんだか嬉しそうだ。
「せ、精市/////」
「俺…ずっと不安だったんだ。
病気が治ってから、『早く回復しないと…』っていう気持ちばかりが先走って、
自分のテニスの在り方すらわからなくなっていた。
もうすぐ全国大会…部長の俺がこんなんじゃだめなんじゃないかって。
自分も責めた…
だからね、愛子」
精市が目をつぶった。
「こんな弱い俺だけど、
これからもずっと側で俺を支えてくれないかい?」
精市が微笑みながら私の頬にキスを落とした。
そんなの当たり前じゃん…
「ずーっと私の手、離さなかったらねっ」
精市の手を握ると、微かに震えていた。
私が精市の力になれるなら…
どんなことでもするからね――
「離さない、ずっと」
私たちは星空の下、唇を重ねあった。
それはまるで、
『一生そばにいるよ』
という契りのようだった―…
beautifuldays
<君がいれば><他には何もいらないよ>