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□計れない恋
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「ねぇ、雅」
幼なじみの雅はテニス部。
あたしはテニス部のマネージャー。
だから毎朝一緒に登校してるんだけど…
そのついでにいつも話すことがある。
「なんじゃ、愛子」
「…柳はあたしの事嫌いなのかなぁ…」
柳蓮二、あたしの大好きな人についてだ。
みんなに優しくて頭がいいんだけど、
あたしの前だと違った顔をする。
時々苦しそうで、泣きそうな顔になる。
あたしが触るとなんか嫌がるし…
はぁ。
「それは多分違うぜよ、愛子。参謀は…」
そう言いかけた瞬間、雅が言葉を切った。
「参謀は…??」
あたしが言葉の続きを尋ねると、
雅が口角をあげて笑っていた。
これから誰かを騙しにいく詐欺師みたいに。
意地悪そうな笑い方。
「…いい事思いついたナリ」
雅はおかしそうに笑うと、
ふふんと鼻を鳴らした。
「雅ぁ〜(汗)あんまり柳に変な事しないでよ〜!!」
あたしが念を押して釘を刺すと、
「平気じゃきに。いい遊びを思いついただけぜよ」
遊びと言う言葉に若干(いや、かなり)の不安を覚えたあたしだったけど、
その場は放って置くことにした。
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