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□もう戻れない
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どうしてこんな事になってしまったんだろう―…













俺と愛子は恋人同士で。

俺は愛子を愛しとった。

愛子も俺を愛してくれとった。

相思相愛―…

どこからどう見ても、俺たちは最高のカップルだった…のに。

ある日悲劇は訪れた。

いや、悲劇はもうずっと前に始まっていたのかもしれない―…












「雅…治」

虚ろな目で愛子が言った。

ここ最近愛子の様子がおかしいとは思っていたが…

目の下にくまができとるし、

体は随分窶れたように見える。

どうしたんじゃ、一体――…

「愛子…?」

「あたし、死にたい」

強く放たれた強烈な一言。

俺は体が硬直するのを感じた。

何故なら、

愛子が窓に身を投げ出そうと足をかけ出したから…

誰かが押したらまっ逆さまに落ちてしまいそうな位ギリギリの所で愛子はにんまりと笑った。

「死んだら、天国に行けるかな?幸せになれるかな?ねぇ、雅治…答えて?」

いつも無邪気に笑っていた愛子の姿はもう何処にもなかった。

愛子の目からは何も伝わってこない。

「死んだらさ、楽になれるかな?」

やめろ、

「辛いこと何もかもなくなるかな?」

やめんしゃい!!!

「そんな事言うんじゃなか!
お前さんは…」

言いかけた途中…

さっきまで笑っていた愛子が目に涙を溜めだした。

綺麗な涙が頬のラインにそって流れ出す。

次の瞬間、愛子の体がグラッと揺れた。

落ちる…!

「愛子…っ!!!」

俺は瞬時に窓に駆け寄り、愛子の手を掴んだ。



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