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□幼なじみ
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「光ちゃんっ!!」
財前が部活に訪れると、ウザったい先輩たちの周りによく知る女の子がいるのが見えた。
(目の錯覚か…?いや、どう見てもあのバカっぽいのは愛子や。間違いあらへん)
財前は焦って愛子のそばに駆け寄った。
「愛子!!変な人に近付いたらあかんて言うたやろ!!」
白石たちから守るように財前が愛子を後ろに庇った。
「だってね、光ちゃんの先輩いい人だよ〜」
そんな財前の後ろで呑気に言う愛子。
ため息をつきながらも、愛子が可愛くて仕方がない財前はキッと目の前を睨んだ。
「財前はええよなぁ、こんなかわええ子が幼馴染みで」
白石がからかうように笑った。
白石たちは財前の気持ちを知っていて、イタズラしているのだ。
「ホンマや。財前みたいに皮肉やないしな〜」
謙也も普段の恨みを返すかのごとく、財前をからかう。
「謙也さんは黙れや。俺の愛子に手ぇ出したら内臓引きずり出しますわ…」
普段からの上下関係(?)は覆せず、謙也が寂しそうに人差し指を合わせた。
部室の外に白石たちを追い出すと、財前は安心したように話し出した。
「とにかく!!応援に来てくれるんは嬉しいけどな、
謙也さんはともかく部長は刺激が強すぎるから近付いたらアカン!!」
「わかった♪
光ちゃんだけ、応援するね」
にっこりと笑う愛子を見てまた不安が増した財前は、愛子の頬に唇を寄せた。
リップ音を立てて、唇が愛子の頬にあたる。
愛子の顔は真っ赤だった。
「お前は俺のや。変なのに捕まるな」
財前が耳元で囁くと、愛子は限界を越えたのか、全身真っ赤になって倒れた。
「あー…やっぱダメか」
そう言いながら、愛子をベンチに寝かせると、上から優しくジャージを掛けた。
愛子の寝顔を見ながら財前は微笑む。
「今は、幼馴染みのままでええわ」
愛しそうに愛子の前髪をかきあげると、
おでこにそっとキスをした。
幼なじみ
<愛子ちゃーん♪遊びに来たんかvv><小春ちゃんvV会いたかったよ〜><(…小春先輩やったらええか)>
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