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□タイムリミット
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桜の花が蕾を膨らませている、3月。
私は卒業の時期を控えている。
テニス部のマネージャーとして過ごした、3年間。
それは私にとって大きな思い出だった。
立海を卒業しても、今までの友達はだいたい立海大付属高校に通うからそこはいいけど…
彼と1年も離れてしまうのは、嫌だった。
「愛子センパイ!!!」
笑顔で駆け寄って来る、私の可愛い後輩。
切原赤也。
「あ、ワカメ」
ワカメと言った途端、赤也は嫌そうに顔を歪めた。
テニス部のマネージャーをしている時から赤也をからかう事は私の日常だった。
だって反応が可愛いんだもん←ドS
「愛子センパイ、ひでーっ!!!丸井センパイと同じ事言った〜」
「ごめんごめん。赤也が可愛くてついいじめたくなるんだ」
よしよしと頭を撫でたら直ぐに赤くなる、純粋な子。
テニスは強くても中身はまだ中2らしいな、
なんて思いながら話を続ける。
「で、私に何か用?」
「あー…話してたら忘れたッス」
すい〜っと目線を反らす赤也。
こういう時は大抵嘘をついている時だ。