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□your mine
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「雅治〜離してよぉ」
後ろからぎゅうぎゅうと抱きついてくる、彼氏。
仁王雅治。
「嫌じゃ。お前さん目を離すと危ないから」
そう言って私の頭に顎をのせてぐりぐりしてきた。
「くすぐったいよ〜!!!」
「ククッ…お前さんは本当に可愛ええのぅ」
雅治がぽんぽんと私の頭を撫でる。
私は雅治にこうして頭を撫でられることがすごく好き。
雅治が私にしかしない…特別なことの1つだから。
「雅治だ〜いすきっ♪」
「俺も好いとうよ、愛子」
お互いに手を伸ばすと、強く抱き合った。
雅治の体は大きくて、小さい私は背伸びしないと届かないんだけど―…
雅治はいつも屈んでくれる。
優しく包み込んでくれる。
私はそんな雅治が、大好きなんだ―…
「あれ、手紙だ」
下駄箱を開けると、白い封筒が入っていた。
中に手紙が入っていたので読もうとして手紙を開く。
その時―…
「読んじゃいかんぜよ」
サッと手元から消えた手紙を、雅治が強く握り潰していた。
目が、すごく怖い…
「お前さんは放っておくんじゃ…俺がきちんと解決するから…」
さっきまで獣の様に奮いたっていた雅治が嘘のように弱々しくなった。
雅治…??
「どうしたの?」
「お前さんには関係ないから安心しんしゃい。さ、帰るぜよ」
雅治が私に向けて手を差し出す。
大きい手のひらが私の手を包み込む。
私は複雑な気持ちが絡んだまま歩き出した。