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□crash on you
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「愛子〜お菓子くれよぃ♪」
君は誰にも渡さない…
「どら焼あげよっか(笑)」
君はブン太に向けてニコッと笑った。
「ドラ●もんじゃねぇし!!!でも貰うぜぃ」
他の奴らの前でなんて笑うな。
君の笑顔は俺だけのものだ…
「精市?どうしたの?」
愛子が俺の顔を覗き込んだ。
そしておでこに手を当てられる。
「うん♪熱はないよっ」
そう言って君はにっこりと笑った。
その優しさも、声も、温もりも全部――…
俺だけのモノにしてあげる。
「愛子…一緒に帰ろうか」
「うんっ」
愛を得られないのならば、君を壊してしまえばいい―…
カバンに忍ばせたナイフが静かに音をたてた。
「愛子」
君の名前を呼ぶ。
「なぁに?精市」
愛子の気持ちををよそに、俺は愛子を抱き締めた。
「ど、どうしたの…?」
カバンの中にあるナイフに触れると、ひんやりとした感触が指を伝っていった。
侵食―…そんな言葉が頭に浮ぶ。
「もう少し、このままでいさせて」
―…後少しで君を壊せる。
そう思うと、ゾクゾクした。
ようやく君が俺だけのモノになるんだ。
俺はポケットからそっとナイフを取り出すと、
愛子の腹目掛けて突き刺した。