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□紳士な貴方
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「お、重い〜」


巨大なダンボールのせいで視界は遮られるし、腕が痛い。


先生…私教材室に着く前に倒れそうです(泣)


なんせ私の身長は150pもない。


だから…力もあんまり強くない…わけで…っ!!!


「も〜死ぬっ!!!」


フラフラとした足取りで歩いていると、


ガツン!!!


「痛っ!」


何かにぶつかった。


その衝撃で尻餅をついた私。


めちゃくちゃ痛い…(泣)


「すみません、お怪我はありませんか?」


同じクラスの柳生くんが手を差し伸べてくれた。


私…柳生くんにぶつかったんだ。


「あいたた…大丈夫〜」


その手を掴み立ち上がると、柳生くんがにっこり笑った。


さすが紳士…


「ところでこのダンボールは何ですか?」


「これ??古い学校教材だよ。先生に頼まれたの」


柳生くんが少し怪訝そうな顔をした。


「おや、いけませんね。女性にこんな力仕事を任せるなんて」


「ん〜…先生も急いでたからね。仕方がないよ」


実際私が一番近くにいたし。


そう言ってニコッと笑うと、
柳生くんが優しく微笑んだ。


「愛子さんは優しいですね」


「そ、そっかなぁ??」


「そうですよ。あぁ、お荷物は私がお持ちしましょう」


柳生くんがダンボールを軽々と持った。


すごい…


「さぁ、行きましょうか」

柳生くん…


一番優しいのは多分貴方だと思うよ??
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