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□キス
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「柳…」

言葉にしてみる。

想いが溢れ出してしまいそうなほど心の中を占めているのは、アイツ。

柳の事で頭がいっぱいなんだ…

「どうして、伝わらないんだろうな…」

言葉にしなくても…伝わればいいのに。

何もしなくても―…伝われば…

「愛子」

「えっ…?」

今の私は柳を認識できないほどのパニック状態になっていた。

後ろに柳がいるとか、偶然にも程があるだろう!!!

「なんで…お前がここにいる」

キッと柳を睨み付けても、柳は微笑みを崩さなかった。

一歩前に足を出したかと思えば、
また一歩また一歩と近づいてくる。

「何故俺がお前のデータを調べていたかわかるか?」

「…そんなもん知るか」

私ってほんとに可愛くないな―…

好きな人の前だと素直になれないんだ。

…あぁ、もう…

「俺が愛子の事を好きだからだ」

「はっ…??」

あまりの衝撃に声が霞んだ。

柳が私を好きなんてあり得ん。

「お前、こういう時に冗談言うなよ」

私の頭の中は真っ白だった。

お前好きな人なんていないって前に言っていたじゃないか…

「データではどうにもならない事もあるようだ、貞治」

柳がボソッと何かを呟いた瞬間、柔らかいモノが唇に重なった。

柳の髪が、私の頬をくすぐる。

「…何するんだ、お前は」

私の顔は多分真っ赤だろう。

あまりの恥ずかしさに目を反らすと、柳の腕に無理矢理引き戻された。

「何故目を反らす」

「なっ…は、恥ずかしいだろ馬鹿野郎っ!!!!」

柳が面白そうに目を細めて笑った。

「お前はやっぱり可愛いな、愛子」

柳がもう一度顔を近づけたかと思うと、

唇が静かに重なりあった。







キス


<お前いつから私を…??><少なくともお前よりは早いはずだが??><っ////////>
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