1
□『Sprizer』
1ページ/3ページ
キスって…
よく甘いとかって言いますよね…
確かめてみたいと毎回思うけれど、案の定そんな事をする余裕と度胸何て持っていなくて……
今更、なんて言われると困るけど…やっぱり気にはなるもので…
『Sprizer』
目の前で総司さんが寝てる。
今にない、絶好の機会…
起きている時に『キス』したい、なんて言ったら取り返しのつかない大変な事になる。
優しく頬を指先で撫でてみたけれど、珍しく眠りが深いのか一瞬眉をしかめただけで目は覚まさなかった。
「うーん、狸寝入りじゃないよね?」
普段からあまり眠りの深くない総司がよくやる行動。千鶴は幾度となくそれに騙されては、捕まり続けている訳で……
それでも最近は揺すっても起きる事が少なくなった。本人に聞いたら"千鶴がいるから"…なんとんでもない回答がすんなり返って来て正直驚いた。
千鶴は頬をいじっていた指先を唇に持って行き、軽く押してみるが弾力のあるそれは再び元の形へと戻る…
「甘いもの食べたりした後のは甘いけれど//…、総司さん自体が甘いの?」
いや、それは明らかに有り得ない。
…そ、それとも自分?
色を変えたい文字