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□『la riviere』
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そろそろ寝ようとベッドルームへ向かったけれど、いつもと違う何かに気が付いた。確か、ここのベッドってシングルだった気がする…うん、間違いなく。
でも目の前にあるのはダブル…?いや、それ以上のサイズのベッド。




「最近徹夜をし過ぎたのでしょうか…幻覚が見える様になりました」



「私が買い換えたんですよ。」



「と、トキヤ君」



「勝手にして申し訳ないとは思ったのですが、そこまで驚く事でしょうか…」



春歌が振り向けばトキヤの姿。腕組みをしていつもの笑みを浮かべながら、ぽかんとする彼女の隣に歩を進めて頬に軽く唇を落とした。



「前のベッドですと少し狭かったので…身を寄せ合いながら寝るのも良いですが、やはり広ければ色々と出来ますし。」



「…色々と言いますと?」



「…それを、聞くんですか?」



「わ、私いけない事を聞いてしまいましたか!!す、すみませんすみませんっ」



「いえ。ただ、あなたは面白い位墓穴を掘るなぁと感心したんですよ。」



何が可笑しくて笑っているのか分からない春歌は首を傾げていたけれど、トキヤに後ろからギュッと抱き締められる。小さな悲鳴を上げたが、知ってて知らない振り…
そのまま首筋に唇を押し当てて強めに吸い付かれた。



「トキヤくん…ん、」



「大人しくしてないと、首筋が真っ赤になりますよ…?」



「それは、いつも…です。」



「おや、今日は手加減して差し上げようと思っていたのに。ご要望とあれば手加減は不要ですね」



「…えっと、あの…その、、」



「春歌は‥逃げよう、だなんて思ってませんよね?」


にっこり、そんな音が聞こえそうな笑顔が自分の背後で展開されてると思うと、なんだか背中に悪寒が走った…
けれどそれも束の間。チクリとした身に憶えのある痛みが再び首筋を襲う。




「ん、んぅ…っ」



顎に手を添えられて少し強引に後ろを向かされてから、そのまま情熱的なキスをされた。



「今夜も、全力で可愛がってあげます…」


もう、
首を縦に振る事しか出来ませんでした…



fine.
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