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□『betsyross』
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絡めた指先をギュッと握り締めれば、柔らかなベッドへ更に沈んで行く。
今にも零れそうな涙を空いた方の指先で掬い、汗で張り付いた前髪を優しく退けてあげる。浅い呼吸の繰り返し…



「やはり、痛みますか…?」



「えっ、ぁ…痛くは、ないと思います」



「…"思います?"自分の身体の事なのに分からないんですか、あなたは‥」



「…良く、分からないんです。頭の芯が痺れてるというか、身体の感覚が麻痺してるといいますか‥っ」



ゆるりと動けば小さな悲鳴が聞こえる。
初めの頃は痛いと言葉を漏らしていたのに、彼女曰く今は痛くはないらしい。身体が慣れてきた、そういうことなんだろうか…ぼんやりと考えながら繋がりを深くすれば、キュッと絡めた指先へ更に力が加わった。



「…っ、はぁ、ぁ‥」



「すみません…、そろそろ大人しくしてるのが限界だったので。」



目を細めてにっこり…
吐息が零れる唇を塞ぎながら、最奥を目指してて身体を密着させる。息継ぎをさせてから首筋に顔を埋めて強く吸い付いて真っ赤な痕を付け続けた。



「ときや…くん、っ…ん」



「もっともっと、私無しではいられない位に溺れて下さい…」



私は既にあなた無しではいられませんけどね…吐息と共に吐き出された言葉に胸がキュッと締め付けられた。
そんなこと言われなくても…



「私だって…」



「…春歌?」



「私だってトキヤくんがいないと…んぅ。」



「その先を言ったら、明日1日ベッドの中で魘(うな)されることになりますよ?、」



「それは…、困ります。」



「ならいい子にしててください。悪いようにはしませんから‥」



良いようにもなった覚えもない気がするなぁ…なんて思ったのは内緒。
その代わりに絡め繋いだ手にすがる様に力を入れて、身体を隙間ない位に寄せる。



「トキヤくん、好き‥です」



「私は愛してますよ、」




fine.
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