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□『carezzando lullaby』
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「春歌、最近ちゃんと寝ていますか?」



その問いに春歌は"はい"と直ぐ様返事を返すことが出来なかった。彼には自分の作れる最高の曲を歌って欲しい、そんな事を考えて五線譜と向き合っていると気付けば明け方…なんてことは珍しくない。




「頑張ったり、夢中になるのは悪いことではありませんが…無理のし過ぎは感心しません。」



「トキヤくん‥」



「休憩しましょう。」



にっこり、笑ってはいるのだけれど何となしに怒っている様な。



「おいで、春歌‥」



ソファーに座っていたトキヤにそう言われてしまえば、体は勝手に魔法に掛けられてしまったかの様に引き寄せられ、広げられた両手に収まった。向かい合わせ、春歌がトキヤの膝を跨ぐ様な体勢。
広い肩に顔を埋めれば自然と大きな吐息が口から溢れてしまった。両手は背中へ。



「春歌は私に甘えるということをもっと覚えるべきです」



「…甘えてるつもりですよ?」



「もっとです。」



「もっと、ですか…」



「えぇ、もっともっとです。」



例えばどんな風に甘えればいいのか、考えてはみたけれど意識は半分微睡みの中。抱き付いて、抱き締められているだけなのにこんなにも気持ちがいいなんて…



「…唄って欲しいです」



「喜んで。いくらでも唄ってあげます。子守歌にしますか?」



「…子ども扱いは、複雑です」



「子ども扱いなんかじゃありません。恋人扱いです」




fine.
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