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□『la rumeur』
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一体何がいけなかったんでしょうか…
今朝ちょっと寝坊したこと?
それとも作曲している時の私の独り言がひどかったとか…。


あぁ、私はどうしたら…




春歌の背中には冷たいドアの無機質な感覚。そろそろ帰りますねと、トキヤの部屋から自室に帰ろうとしたら呼び止められてドアに縫い付けられてしまった。
細めた瞳は射抜く様に鋭くて…



「ト…キヤくん、あの‥」



「あぁ、すみません。こんな所でこんなことを…」



「…っん、言葉と、行動が噛み合って…ません///」



「だから、すみませんと謝ったでしょう。あまり声を出すと外に聞こえてしまいます」



「あの、私…何か気の障る様なことを言ってしまったのでしょうか」



目線に耐え兼ねて顔を逸らせば首筋を差し出す形に。それをトキヤが逃す訳がなく、そのまま唇を落として吸い付いた。



「あなたが…」



「…っ、」



「あなたが帰るなんて言うから…」



「それだけ…ですか?」



「悪いですか?」



何の悪びれもなく、さも当たり前かの様に言うものだから春歌は正直面を食らってしまった。部屋は隣だし、会おうと思えばいつだって会えるのに…




「ここ暫く自分の部屋のベッドで寝ていない気がします…」



「部屋は隣です。いつでも帰れるでしょう?」



「そうですけど…」



「諦めてください、今夜も帰しません。」



fine.
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