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□『calorosamente』
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「お前っ、なんつー恰好で作業してんだ」
「あ…すみません。でも今とってもいいメロディが…」
春歌の部屋に行けば絨毯に寝転がりながら作曲中、一心不乱に音譜を書き並べていた。彼女の周りには音譜の並んだ五線譜が散乱…癖なのか無意識なのか足をバタバタ……
「翔くんの次の曲の依頼を正式に頂いたのですが…嬉しくて仕方がないんです」
クッションを抱えて、そのまま半回転。
あぁあああ…春歌、お前なぁ、
「見えてるぞ、」
「はい?」
「えっとだな…ピンクの、」
「きゃぁっっ!!/////」
「お前はそんなに襲われたいのか‥」
「めめめ、滅相もありませんっ!!!」
「そんな全力で否定しなくてもいいだろーが」
「す、すみません‥」
「あーもー、謝るなっての」
春歌は散らばった五線譜の上、クッションを抱き締めたまま慌てふためいてひたすら。縮込まるばかりで仕方がないので翔は彼女を組み敷いて吐息が混じる距離で目と目を合わせる。
「…襲われたくないんなら落ち着け。」
「しょ、翔くんっ…」
「朝っぱらからガッつかれたくないだろ?」
「うぅぅ…///」
「あー…お前可愛過ぎだっての。」
両手で顔を隠して左右に首を振りまくる様子が可愛くて思い切り破顔。こちらが見えない事をいいことに翔はフレンチなキスを1っ…ピタリと動きを止めた春歌、そのまま軽いキスを2っ、3っ、4っ…
「っん…、、翔くん‥、」
「悪ぃ、前言撤回、やっぱ無理。」
ギュッと抱き着けば周りの五線譜がふわり、かさりと浮き上がって少し離れた所へと無造作に飛んで行った。
fine.