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□『alvear palace』
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「んー春歌いい匂い、」
「ちょっ、音也くん擽ったいですよ」
お風呂上がりの火照った身体。
ソファーに並んで座ってそれを弄んだ。
抱き締められて頬擦りされて、首をペロリと舐められて…最後はかぷりと噛み付かれる。
「…春歌のこと、食べたら美味しいんだろうなぁ…」
「わ、私は食べ物ではないので…美味しくないと思いますが」
「こんなに甘い匂いがするのに?」
鼻を押し付けられて息を深く吸われて、噛まれて、そんな行為の繰り返し。そろそろ冷めてもいい風呂上がりの火照りは抱き締められた時の火照りにいつの間にか移り変わり、じりじりと身体の中を熱くさせて侵食し始めていた。
「ね、ちょっとだけでいいからさぁ‥」
「だから、私は食べ物じゃないんですってばぁ…//ん、音也く‥」
「でもさぁ…こことか、こことかさぁ‥」
「そ、こは…胸元です、」
「‥ここは?」
「鎖骨と、…首筋です」
「…じゃぁ、ここ。」
「くちび…ん、んんっ!!!」
深くて、長ぁいキスをされた。
唇を食べるかの様にぱくりと食まれて、息継ぎをさせようとほんの一瞬離れて…その離れた時のリップノイズが嫌に艶やかで、このままだと食べられてしまう‥本能がそう警笛を鳴らした。
「っは、っ…とや、くん//」
「ね、春歌のこと‥、」
「…ん、っ息、」
「俺にちょーだい‥?」
何を今更…
とっくに私はあなたのものなのに。
言いたかったのに唇で容赦なく塞がれて、言葉になることが出来なかった。
fine.