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□『be in great distress』
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絶えずキスをねだってきた唇を、春歌は伸ばした掌で塞ぐ。海の色をした瞳はこちらを恨めしそうに見詰めるし、大きな手は既に春歌の手首に巻き付いていた。時稼ぎもいいところ、だ。
「だ‥め、です。レンさん…」
「どうして…?」
春歌の手はもう言うことを聞いてはくれない。掌へとキスを1っ、2っ…レンの唇を塞いでいた掌は手首を掴まれ、剥がされた事で宙を浮いていた。射抜く様な視線から顔ごと視線を逸らしたけれど、そんなことは許さないと言わんばかりに顎を掴まれてそのままキス、。
「…ハニー、キスがだめな理由を教えてくれないかな。それが俺の納得の行く答えなら止めるよ」
「その、恥ずかし…」
「理由になってない。」
「苦しい…です」
「呼吸の仕方、前にも教えたんだけどな…」
「でも、これ以上されたら‥」
口ごもって涙を溜めた春歌の視線がレンから逸らされた。何かを言いたいのに中々言えないらしい。小さな唇がぱくぱくと開いたり閉じたり…あぁ、早くその唇に貪り付きたい。
「こ、これ以上されたら、私…もっと感じちゃいますっ!!だから」
「な…、」
「あ、…え?」
「//っあ〜…何その発言、」
「あの、レンさんっ!!ちょっ、顔真っ赤です、私気に障る様なこと言…」
ずしり、凭れ掛かってきたレンの体を春歌は力の限り支えようとするけれど、男女の差というか、何と言うか…。困り果てた声を上げれば少しだけ手加減をしてくれた。
「レンさん…?」
「ハニーが、可愛すぎて…」
「か、かわいいだなんてっ!!」
「頭が、くらくらした…」
「ぇええええっっ///」
「ちょっとごめん、このままでいさせて…」
好き過ぎる君に、青息吐息…
fine.