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□『gulf stream』
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壁に片手を突かれて春歌は目を見開いた。連日の徹夜を指摘されたが、大丈夫だと言い張っていたらこうなった。目の前には至極機嫌の悪い表情の砂月。眉間に皺を寄せ、若草色の視線は相変わらずこちらを睨み付けていた。



「さ…つきく、私は平気で‥」


「ぶっ倒れてからじゃ遅いんだ。」


「仮眠は取ってますし…」


「ソファーで2、3時間寝転がる程度だろ。」


「っ…で、でもっ!!」


「言い訳すんな。俺がいつも傍にいる訳じゃないんだ、」



鋭い視線に見下ろされて春歌は言葉をなくし、キス…されると思って無意識にギュッと目を瞑るが、砂月の唇が辿り着いたのは耳元…



「さ…つき、く‥?」


「体調が悪いと、…お前のこと可愛がってやれないだろうが」


「な、なななっ////」


「だから、ちゃんと寝ろ。俺は、手加減なしにお前のこと愛したいんだ…」


「砂月くん…あの、私、ちゃんと…」


「分かったらさっさと寝る。返事、」


「……、」


「おい、話聞いてるのか?…って、お前顔真っ赤だぞ‥」


「砂月くんのせいですっ!!砂月くんが悪いんですっ!!…〜っっっ/////もう寝ますっ!!」



両耳を押さえながら春歌は一目散に逃走。残された砂月は吐息と共に、満足そうな笑みを溢したのだった。




fine.
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