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□『rosy deacon』
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「ダーリン、辛そうなお菓子ばっかりはダメです」
「だって、イッキがCM出てるやつだし気になるし…」
「んもぅ、しょうのないダーリンなんですから」
遠出をするわけでもなく、肩を並べて歩くのは24時間営業の大型スーパー。仕事で籠りきりだった為ストック切れの日用品の買い出しに。お互いに明日はオフなので前倒しデート、そんな感じ。
「ダーリンは明日の朝ご飯、何が食べたいですか?」
「勿論、ハニーがいい」
「ま、真顔でそんなこと言わないでくださいっ//」
「本気だよ?明日は久々のオフだからね。午前中は二人でゆっくり、惰眠を貪りたいなぁ…」
「あの、沢山ギュってしてくださいね…」
「いいよ、沢山甘えて?俺もハニーの腰が立たなくなる位に甘えるから。」
「腰??」
「ん、なんでもない〜♪」
「気になりますーっ」
「そういう可愛いアヒル口してるとキスしたくなるからやめなさい」
「むひゅ…」
「かわいいよハニー、」
両掌で春歌の頬を両サイドから挟み込めば情けない声があがったが、恨めしそうにこちらを見る表情は頗る可愛い…
「でもさ、こうやって買い物してると新婚夫婦みたいだよね…」
「し、しんっっ!!ふっ!!!」
「?」
「そ、そんなふふ、夫婦だなんてっ!!わた、私は…」
「顔真っ赤だよハニー、」
「だ、だって…//」
「ハニーの想像した旦那さんは一体誰だったのかなぁ…」
「それは…その、誰って…」
「俺?それとも他の誰か…?」
「も、もう知りませんっ!!」
「‥いいよ、無理に今言わなくて。今夜はいくらでも時間はあるし、意地でも君の口から言わせるから」
ハッとして真っ赤になって、ころころ変わる表情が可愛くてキスしたくなる…のを抑え、レンは必要な物をはカゴに放り投げていった。
「ほーら、機嫌直してよハニー。イチゴ買ってあげるから、ね?」
「……うぅ、」
「口、そんなに尖らせてると‥しちゃうよ?」
「なっ////」
「いい子だから、家まで我慢してて?」
勿論俺も我慢するから、最後にそう付け加えてレンは大事そうに真っ赤に熟れたイチゴを手にとったのだった。
fine.