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□『presbyterian』
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部屋の暖房をフル稼働、厚手の毛布一枚でお互いぐるぐる巻き。下着のストラップを持ち上げてそこへキス。身動ぎをされたけれどそんなのお構い無し。
小さく抵抗の声を上げられたけれど、彼女の手にした皿の中にある苺を一つ摘まんでからはくはく…と不安定な呼吸を繰り返す唇へと押し付け、そのまま口の中へと押し込んだ。
「んっ、く…」
「ハニーの大好きな苺、美味しい?」
「も、…お腹、いっぱ‥れす//」
「なら、こうしたら食べてくれる?」
苺を一つ、口に挟んで春歌へ差し出した。あからさまに狼狽える彼女が可愛いな…なんて思いつつ、早く…と催促。
「ダーリン、」
「…ん、」
「っ‥うぅ//」
「んー、」
「…っっ、やっぱり…」
「んんーっ」
「っ――、っはぐっ//」
観念して一囓り。咀嚼すれば甘い香りがふわりと漂ったが、嚥下したと同時に唇を塞がれる。美味しい所だけ食べて狡い…そう言わんばかりに引っ込んだ舌を引き摺り出されて舐め吸われた。呼吸が苦しくなって堪らず鼻から息を吸えば耳にはくつくつとレンが笑んだ音。そんな笑い方、しないで欲しい。
「…笑ってごめん、可愛くてさ」
「かわ、いい?」
「キスが巧くなったんだなって思ったのと、本能であるにせよ続けたいって思ってくれたことが可愛くて」
「ご、ごめんなさっ!!//」
「あ、自分で認めた」
「はっ!!」
「顔が真っ赤、苺みたい…」
「や、違、…っダーリンも、からかわないでくだ」
「食べちゃうよ?」
「私は…食べ物では、な‥く」
「ほんとに?こんなに、美味しそうなのに‥」
頬を甘噛み、歯形が残らない様に力の加減は抜かりなく。左手を背中へ、下着のホックを外したと同時に可愛い悲鳴が鼓膜を震わせて心臓が強く、どくんと跳ねた。
この緊張感が好き。こんなこと言ったら笑われるだろうな…なんて。
「っっ、だめ…です//」
「やだ、」
「駄々っ子するのはズルいです‥」
「俺がこう言うとハニーが弱いこと知ってるからね…」
「うぅ…確信犯ですか」
「ごめんね、」
再度口に銜えた苺。春歌が囓るのを待つのではなく否応なしに押し付け、溢れる果汁で唇を濡らして舐めて。顎を伝って胸元へ、戯けながらごめんと謝罪の言葉をもう一つ。本気で謝るつもりなんてこれっぽっちもない癖に…ぼうっとし始めた頭でそんなことを考えていたら、意識を引き戻そうしたのか胸に吸い付かれた。残るのは勿論真っ赤な血の色が浮き出たキスマーク‥
「れ、んさ…」
「こういう時だけ、名前を呼ぶ春歌も十分ズルいよ」
「お互い様、です」
「そうだね、」
視線を絡ませてどちらからともなくキス。甘い甘い苺の味、甘美な味にくらり眩暈。
fine.