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□『jeweiry box』
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準備するもの、
藍くんのお洋服数枚
藍くんのフレグランス

以上


ベッド脇にあるサイドボードに藍のフレグランスをことりと置き、春歌の両腕にはいつも彼が着ている服が数枚。洗濯済みのもの。


「藍くんが…地方ロケに行って早5日、こ…これは最終手段ですが、寂しいからっ、し、仕方ありませんっ!!」


服、一着目…着る
服、二着目…抱きしめる
最後にフレグランスを数回吹き掛ける


以上


「藍くん‥に、ギュッて…されてるみたいです//」



早く帰って来ないかなぁ…
あれ、いつ帰って来るんでしたっけ…?
あ…明日?明後日…?
困りました、一緒にいないだけで曜日の感覚もなくなってしまうだなんて‥


「藍くんに、会いたい‥です」

「うん、僕も…」

「私だけじゃないんですね、嬉しいです」

「何してるの?」

「何って、藍くんの匂いに包まれて寂しさを紛らわせてます…あぁ、幻聴が聞こえる位に私は藍くんに会いたいんですね…――あれ?幻聴?」

「ただいま、ハルカ」

「…あ、おかえり‥なさい?」

「ふふっ、何してるの?」


穴が有ったら入りたいとはこの事ですかっっ!!毛布を被ろうにも近くにあらず。
慌てふためいている内に距離を詰められ、藍がベッドに片膝を乗せたであろうスプリングの音がやけに大きく聞こえて心臓が跳び跳ねた。


「ねぇ、何‥してたの?」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ///」

「悪いこと、してたの?」

「…た、多分?」

「自覚なし、か」


抱き締めていた服は放物線を描いて床へ。


「しかも俗に言う彼シャツだし…」

「うっ、すみません‥ごめんなさい」

「帰って来たらこれだもんね‥」

「呆れて‥ますよね、」

「うん、可愛すぎて」

「‥へ?」


ぎしりとスプリングが悲鳴を上げる。
はっとした時には既に覆い被さられ、藍の両腕は春歌の両頬脇へと突かれていた。
右手だけふと離れ、首筋を撫でてからそのまま滑らせて肩からシャツを落とす。
唇を剥き出しになった肩へ。


「っな、藍‥くっ!!」

「そんな作り物の匂いよりも、」

「あ‥」

「こっちの方がいいでしょ?」


返事を聞く前に今度は左肩へと手を伸ばす。そして当たり前の様にキス。



「ごめ‥なさ、」

「だから、謝らなくていいってば」

「藍くん‥」

「だけど、その匂いを僕が上書きするから‥それが終るまではずっとこのままかな」



嫌?そう聞けば、嫌じゃないですと、直ぐ様返事が返ってきた。相当寂しい思いをしていたんだな…と痛感。



「さぁ、まずは偽物の僕の匂いを剥ぎ取って…それからどうしようかな。あ、手加減出来なくて抱き潰したらごめんね。」

「なっ、何言って」

「暫く触れられなかったんだから、その分の埋め合わせをしなきゃ」

「あ、藍くっ、あの、そのっ、わ‥た」

「そろそろ、黙ろうか‥」

下唇を舐められて直ぐ様沈黙。そのまま銜え込まれる様な甘いキス。
春歌は堪らず、閉口したのだった。



fine.
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