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□『reveil』
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「沖田せんぱっ、暑いんですから…離れてください///」



「嫌だよ、そんな理由で千鶴から離れるのは。」



「うぅ、あついです…」



「暑くない冬なら好きなだけ抱き締めててもいいの?そうなの??」



「…それは、その‥えっと、、」




涼しい部屋の中でも、人の体温を疎ましく思ってしまいそうな残暑の厳しい8月。
大量に出された宿題と千鶴は格闘していたが、同じくそれをする筈の総司は千鶴を後ろから抱き締めて早、時計が一回り…
じわりじわりと体温に身体を侵食される様な感覚。




「んぅ…、や‥めてくださ…//」



「ん…、いい匂い。」



「総司さんっ、私は宿題をしないとならないんですっ!!」



「…………、」



「…?総司さん??」



訪れた沈黙がいつもとは違うと悟った千鶴は、名前を呼びながら自分を抱き締めている総司へ向き直るけれど、そこには飄々とした総司ではなく詰まらなそうに顔をしかめて明らかに機嫌の悪い総司…



「僕と宿題、どっちが大切なの?」



「えっ、あの…どっちって…比較対象が違い過ぎます」



「どっち?」



「だから、比べること自体間違って‥」



「ねぇどっち?」



「……えと、その、‥ぁ‥ぅι」



この情況で総司が折れてくれるなんて絶っっ対に有り得ない。結局は千鶴の負けになるのが分かっていてやる総司も総司。
本人曰く、好きな子程苛めたくなるでしょう?だそうだ。



「…総司さんに、決まってます」



そう答えたと同時に頬擦りされた。痛いくらい。熱くなるくらい…
擽ったくて身を捩ったけれど、離してはくれなさそう。



「あーあ、やっぱり今日も宿題終わらなさそ…」



「夏休み、終わっちゃいます…」



「そうだね‥」



「…そうだねって、もう」




怒って頬を膨らませた顔も可愛いなぁなんて思ってしまったけれど、言葉にしてしまうと今以上に機嫌を損ねそうなので黙っておく。


総司は千鶴を抱き締めたまま手を伸ばすと、開いた教科書をぱたんと閉じた。
千鶴の宿題が終わるのはいつになるやら…



the end.
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