短編
□ジロ忍
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「忍足ってもっさいよね。」
本を呼んどると後ろからジロちゃんに抱き締められ、そう言われた。
「急になんやの?」
「髪の毛ウザッて思っただけだC〜」
それが恋人に言うセリフかいな……
溜め息を吐きながら、本のページを捲る。
「こんなんで暑くないの〜?」
ジロちゃんは俺の髪を弄りながらそう言ってくる。
別に大したことあらへんよ、と答えればふーんと興味なさげに返された。
「もさもさ」
「ほなら、切ったらええの?」
パシッとジロちゃんの手を払って後ろを見れば、ジロちゃんの驚いた顔が目に入った。
「それはダメ。」
「はぁ!?」
不機嫌そうにそう言われて俺はその意味不明な言動に頭を抱えた。
「なんやの、ほんまに。」
「忍足はもっさいぐらい丁度Eーじゃん。」
「意味解らんわ。」
「だから、」
ぐっと髪を掴まれてジロちゃんのドアップが視界に入る。
そして、触れるだけのキスされた。
「なっ…//」
「俺はそんな忍足が好きなんだC〜」
「自分、悪趣味やな。」
真っ赤な顔を隠しながら、そう悪態をつけばジローは、
「俺もそう思う。」
と、サラリと言いよった。
《あとがき》
こんなジロ忍が好き。