短編

□この鼓動は
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・捏造CP、トリ受け




「羽鳥ってMだろ。」


キッチンに居る羽鳥にそう言えば、羽鳥は一瞬固まってから不機嫌そうに眉間にしわを寄せた。


「違う。」
「いいや、ドMだね。」


ペンを置いて、背伸びをしながらチラリと羽鳥を見れば更に不機嫌そうに俺を睨んでいた。

その反応が面白くて更に俺は言葉を続ける。


「俺、お前の事一回泣かせてみてーんだよな。」


俺は椅子から立ち上がら、テーブルに出来た料理を並べる羽鳥に近づく。
羽鳥は不機嫌そうに、


「普通、本人に言う事じゃないだろ。」
「まぁな。」


羽鳥は俺の態度にさらに眉間のシワを深くした。
そんな羽鳥に俺の中にある好奇心にも似た何かが疼いてある疑問がわいた。


――俺がキスしたらどんな反応すんだろ?


じっと、羽鳥を眺めながらそん事を思っていると羽鳥は目を丸くして俺を見る。


「柳瀬―――っ!」


俺はそんな無防備な羽鳥にキスをした。
強引に舌をねじ込み深く口付けをすれば、羽鳥の唇から荒い息が零れ落ちる。


「ふっ…ん……やめろっ!」


咄嗟の事に思考が追いつかなかった羽鳥は数秒遅れて、俺を突き飛ばした。


「痛っ!なにすん…だ…」


見上げた先の羽鳥の顔は見たこと無いぐらい赤く染まり、目尻にうっすら涙を浮かべていた。


「羽鳥?」
「俺は帰る。千秋によろしく言っといてくれ。」


そう言って、上着を掴み羽鳥は俺に背を向けて出て行く。
その様子をぽかんっと見つめていた俺だったが直ぐに我に返り先程の出来事を思い出す。


「なんで、ドキドキしてんだ?」


先程の羽鳥の涙目を思い出してドキドキしてる俺はもしかして……いや、違う。

きっと、初めてみた羽鳥の表情に驚いてるだけだ!と言い聞かせて俺は触れ合った唇の感触が残る唇に触れ唖然としていた。



この鼓動は
きっと、勘違い。





《あとがき》
捏造CPのユウトリ!
ただの自己満!!




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