新婚パラレル

□新婚生活 第一話
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第一話

昼前に、ウィンリィからメールが来た。
『暇?
ランチいかない?「セピア」に美味しいスパゲティのランチがあるのよ』

ランチか…たまには豪華な昼飯っていうのもいいかもしれない。と、言うのも、俺は食べることに頓着しないタチで、アルフォンスのいない昼食は食べるほうが稀。てきとうにあるものを食べるので、それがせんべいだったり、ケーキだったり、あるいはコーヒーだけですんだり、ということも多々ある。
ランチを豪華、といってしまうのは、主婦にとってそれは贅沢なことだから。自分で作らずに、据え膳でたべさせてもらえるとういことは、何よりも嬉しいことだ。それが、美味しくて、かつお手ごろだと尚、嬉しい。
『ああ、いいけど?他に誰かいるのか?』
すぐにその返事がやってきた。
『主婦仲間のリザさんよ』
『って、おまえ主婦じゃねえじゃん  分かった、何時?』
『11時半には集合よ』
『了解』

そして、指定された時間に、セピアというカフェに向かう。
「こっちよ、エド!」
 ウィンリィがすでに席をとって用意してくれていた。その横に、ふっと笑みをうかべたリザさん。
「久しぶり、リザさん」
「久しぶりね。どう、元気?」
「ええ」

 俺たちは、ランチメニューからあれこれ選び、三人の注文したメニューが来ると、話がやはり家庭の話題へむかっていた。
「ねえ、エド」
「ん?」
「あんたたち、週に何回なの?」
「…は?」
「んもう、疎いわね!夜の営みよッ!」
 
 ぶはっ!!

「汚いわね〜」
 って、そんなこと聞くおまえがオカシイよ!ウィンリィ!!
「エドくん、カワイイ。真っ赤よ」
 リザさんもクスクスと笑っている。
 

女って、よくもまあ平気で…。
 俺は、真っ赤になって答えないでおくと、ウィンリィが質問をリザさんに振っていた。
「ウチは…週四回くらいかしら?多いのか少ないのか分からないけど」

ええええ!?よ、四回!?

「四回って、どうなんだろうね。多いのかな〜」
「お、多いだろ!?」
 俺は思わず叫んでしまい、赤面した。
「ってことは、それより少ないってことね、エド」
 うわあああ、しまった!!
「ッ…」
 ウィンリィは、にた〜と笑って、俺を見る。
「でもそれは、人それぞれではないのかしら?」
 フォローなのかリザさんがそう言ってくれる。けど。


四回かあ…。


 そんな思考に深く入りこんでいた俺は、いつの間にか、夜の帳が迫っていたことに気がつき、はっと時計をみる。七時過ぎている!
「うわ、飯飯!」
 慌ててキッチンに立つと、アルフォンスがただいま〜と声をかけて玄関をはいってきた。「お、おかえり!わりィ、まだ飯できてない」
 俺は片手にトマト、片手に包丁を握って、声をかけると、
「あ、ごめん。同僚と食べてきちゃった…。五時に上がれたもんだから」
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