wsの長編
□June
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目の前で、
星がくずれおちた。
痛みからか、
悔しさからか、
悲痛な叫び声をあげた。
星の顔は
真っ青で、
痛みからかひどく歪んでいた。
俺は、恐怖した。
自分の一部がもぎとられてしまったかのような、
グロテスクな感覚だ。
貧血をおこして、
その場にしゃがみこむ。
周囲の音が頭の中で
ガンガン響くが、
どれ一つとして、
耳に入ってこない。
たった一瞬で、
星の未来が
奪われたのだ。
同時に俺の未来すら。
俺たちが、
知らず知らずのうちに、
周囲のバスケを
否定してきたから。
周囲は俺たちのバスケを
否定したのだ。
バスケは
二人じゃできないんだ。
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