彼らの恋愛事情
□お前がいないと調子でねーとか、俺どっかおかしいのかな
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(なんか…イライラする)
なんでかはよく分からない。
いつも通りの面倒な学校も、潤平たちとの馬鹿騒ぎとか。
全部昨日と変わらないのに、なんでこんなに苛立ちが募るのか、自分でも分からない。
分からないから余計イライラする。
「あぁー!めんどくせぇ!!」
言葉にしたって何の意味も無かった。
此処は屋上で。
オレは一人で授業をサボってて。
返答してくれる奴なんて、誰もいない。
「こんなとき、大抵アイツが呼びに来るんだけどなー」
思わず呟いた言葉が虚しく響く。
「……なんでオレ、アイツのことなんか考えてるんだろ、」
(あぁ、そうだ。)
なんとなく苛立ちの原因が分かった気がした。
「大和がいないからじゃん。」
呟いたそれはしっくりきて、すとん、と自分の中に落ちた。
疑問が解決すると少しすっきりして、眠気が襲ってくる。
もう少しすれば、出張から戻ってきて、オレに説教しに来るだろう。
(それまで寝るか。)
そしてオレは何だか幸せな気持ちで意識を飛ばした。
お前がいないと調子でねーとか、俺どっかおかしいのかな
(でもなんで、アイツがいないくらいでムカついたんだろ?)