彼らの恋愛事情
□Rules are made to be broken.
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ミーンミンミンミンミーン
ミーンミンミーンー……
そんなには遠くないとこからセミの声。なんか暑さを助長してる気がしてムカついた。
大体オレはさっきまで、クーラーの効いた教室で快適な昼休みを過ごしてたワケで。
わざわざこんなくそ暑い中に引っ張り出されたのは、うっかり服装検査に引っかかってしまったからだ。
いつもは何とか乗り切るのに、今回は本当に忘れてた為、真面目そうなヤツに制服を借りることすら出来なかった。
しかも今回の担当は―――
「おい、小泉。
まともなカッコして来たか?」
――――晶だった。
恋人の「晶」はこれでいて可愛げもあったりするのに、「大和センセイ」のときの晶はひたすらウザい。そしてしつこい。
「してきたよ。
今日のオレ、超真面目じゃね?」
「超真面目じゃね?、じゃねーよ、この阿呆が!出来るなら最初からしてこいっつーの!」
うるせぇ。そして暑い。
「あー…はいはい。」
「はいはい、じゃねー
大体お前はいつもいつも……っん!」
あちぃし、セミの声うるせぇし、晶は説教ばっかで可愛げがねぇし、あちぃしで、少しの苛立ちと悪戯心から不意に晶の唇を奪ってみた。
すぐ止めてやるつもりだったのに、晶があまりにも抵抗するもんだから、オレもムキになって、多少乱暴に晶の口内を荒らした。
徐々に力が抜けて抵抗する気力が無くなったところでゆっくり唇を離した。
ぐったりとして廊下に座り込んだ晶は目を潤ませ、顔は真っ赤に染まってすげぇエロかった。
「おまっ……ここ、がっこ………」
ゼェゼェしながら、そう言う晶の耳元にオレは最近覚えたそれを呟いた。
Rules are made to be broken.
(校則も、恋人とのつまらない約束も、)
(守ってばっかじゃつまんねーだろ?)