過去拍手小説
□甘いチョコと
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3Z高杉×幼馴染
バレンタインの放課後
『うはーっ…さむい』
「…寒」
『あんた男なんだからシャキッとしなさい、シャキッと。寒いとか言うな』
「寒いのに男も女も関係あるめー」
『大体ヒョロヒョロしすぎなの晋助は…ってヒィイイ、風やばい。やばいやばい。
スカートんなかに冷たい風入ってくるんですけど』
「…色気ねェ」
『黙れ。寒いのに色気もクソも関係あるめー』
「真似すんな、ゴリラ」
『うっせぇチビ。チョコのなかタバスコ仕組まれてろ』
晋助のもつ袋に入った大量のチョコを横目にそういった
毎年毎年この男の人気に驚かされる。年下年上同い年関係なく渡されてるらしいし(友人談)
まぁ、顔だけは昔から綺麗だしな。納得できるっちゃできるか
おーおーおー
チョコと共に添えられた手紙の【from 佐藤マナ】って、学校のマドンナじゃんよ(視力良)
マドンナもこいつの外面にメロメロか、ドンマイ男子
『わお。あんた貢がれてんね〜』
袋の中から見えたパッケージは某高級チョコレート店のもの。高校生が高校生にって。
金もってるな、最近のJKは。なんて言えばフンと鼻で笑われた
「その台詞、モテないブサイク丸出しだぜ?やめとけ」
『ブサイクつったな!!このチビ助!
あんたなんかチョコ食べ過ぎてニキビできてしまえ』
モテる男はこんなだからムカつくだ、と晋助に向かって中指を突き立てた。
そうだ。イケメンなんて貰ったチョコ食べ過ぎてブクブク太ってしまえばいい。そしてブサイクの気持ちを味わうがいい
「食わねェしな」
あら、予想外。
…って
『は!?こんだけ貰ってて?』
「来島や万斉あたりが食うだろ」
『一つも!?』
「菓子なんざ胸焼けする」
『…女の子の気持ちをなんだと思ってんのさ』
「知らね。毎年食べてねーからな」
当たり前だろ。と言わんばかりのドヤ顔で言われてしまえば、やっぱり外見でモテる奴は性格がブサイクだと思いました。
『女の子たちかわいそうだ』
一生懸命頑張って作ってるんだぞ、っと軽く肩パンして言ってやれば。
晋助は私を見てから一瞬黙って、また顔を正面に向けてぼそぼそと唇を動かした
「…好きなやつから貰ったのしか食わねーよ」
なんて聞こえたもんだから、私は一度目を瞬かせ、すぐにキラキラと輝かせた。晋助の突然の爆弾発言に興味もたないワケがない
晋助はすごく面倒くさそうな表情を浮かべていたけれど。
『へぇえええ?好きな子いたんだ?
つーか貰ったんだ?』
「…貰ってねぇ」
あれか、好きな子には奥手ってタイプかコイツ!!!はっはっは!おもしろー!
と笑い飛ばしたい気持ちを隠しつつ、恋のアドバイスをかけてあげることにした
『なにやってんの。今すぐ貰ってきなさい。くれって!
あんたのツラならイケるっしょ』
「……だといいけどな」
『よし。いってこい、晋助。お前は男だ』
先ほど肩パンしたところに気合を注入するよう、バシッと叩いた
「…」
『…』
「…」
『…はやくいけよ』
行く気満々の顔を浮かべてたくせに、立ち止まったまま動かない目の前の男に思わず呟いた。
予想以上に奥手だなぁ、この人。という気持ちをこめてため息をついた
「いってる」
『はい?』
何を言ってるのかまったく理解できず目をパチパチとさせる私に、またしても予想外の言葉が飛んできた
「チョコ、寄越せよ」
『…へ』
fin?
→ホワイトデー