アリスと暴君兎

□仁王立ちの悪魔
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三つ編み男が、夜兎工最大の問題児でありませんように


もしさぁ、あの人がそんなおっそろしい人て分かってたら、

私の体くらい差し出しますよね。


ソッコーで。




だって怖いもん。海に沈められたくないもん。長生きしたいもん。


てか、本気であの三つ編み男が春雨の人だったら?


頭突きくらわした私って生きられるのか?



嫌な考えばかりが浮かび、顔からどんどん血の気が引く私。


すると、

周りがザワザワしていて、なにごとかと思い、意識をそこへ向けた。







『……え?』


「おい、早く自己紹介しろ」



『…矢沢…憂、です……』




いつの間に私は教室にはいったのか。

いつの間に黒板に名前が書かれたのか。





……なんで、教室には男子しかいないのか。



「女子だ!女子だー!!」

「まじかよ、まじかよ!!!」

「彼氏いんのー?」

「憂ちゃーん!」



私に向けられる好奇の目。


居ずらすぎる。

頼むから見ないで。私を見ないでェエ



……まさか、クラスに女子がいないってことはないよね。

きっと今日、風邪で休んでるだけ…




「いーか、てめーら。矢沢はこのクラス初の女子なんだから優しくしてやれ。退学に追い込むなよ」


『初ゥ!?さっき、少ないけど女子はいるって…』

「他のクラスに、な。」



あぁ…終わった


仲良くなった女の子たちとランチを食べ、

放課後ゲーセンにいき、

プリクラをとる。


私の夢のJK生活が終わりました。





ガンッ!!!


がっくり肩を落とす私をヨソに、あり得ないほど強く教室の扉が開かれた。



…どんだけ強く開けてんの。

普通ガラッて音じゃね?本当、この学校のヤツは器物損壊罪で訴えられりゃあいい…



ふ、とその人物に視線を向けた。




「ゴルァアア!!!テメェ、扉ぐらい静かに開けろ!また壊す気か、






神威!!!!」





『……げ』


「ほんと、このハゲ五月蝿いな…あり?君、さっきの子だ」



ニコッと、笑顔を貼り付けたあの人が立っていた。







仁王立ちの悪魔




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