アリスと暴君兎
□目を瞑っていました
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「わーすごいや。
中ってこんなになってんだ」
「これどこで撮るんだよ」
「ここがカメラだ。背景もフレームも選べる」
「…お前さんやけに詳しいな」
『はい一人100円徴収ー』
「写真だけで100円も取られんの。ぼったくりだよ」
『後輩に100円以上奢らせてるくせに文句いうんじゃありません』
「矢沢、お前の俺が出す」
『え。イヤイヤイヤ、阿伏っちゃん悪いって』
「言っただろう
今日は矢沢が楽しむ日だ。黙って奢られてろ」
『まじで阿伏っちゃん男前。お父さんにしたい』
「憂、俺は恋人にしてよ」
『死んでも嫌だ』
チャリチャリ
"好きな明るさを選んでね♪"
『「「喋った!!!」」』
「矢沢、明るさはコレで色はこれでいいか?」
『…云ちゃんすげー慣れてんね。最近の女子高生に負けないよ』
「お、おぉ。」
『(照れるとこじゃないよ)』
「云業、俺も押したい。貸して」
「団長、色はあと2枚選べる。
オレンジがオスス…」
ピシッ
『ちょっとォオオオ!!!力強過ぎだからね!
液晶にモロヒビ入ってんじゃん!弁償もんだよ!!』
「この液晶が弱すぎるんだよ」
"それじゃあ撮るよ。3…"
『うわ!カウントダウンはじまった!!』
「何するの。そのまま?」
「知らねーよ。云業どうすんだ」
「ピースで」
"2、1"
パシャ
「なにこれ。フラッシュ?」
『目がチカチカするー』
「あー目が痛い。
オジサンに優しくないカメラだ」
「憂、今度二人でちゅうでもしようか?」
『一人でやってろ』
"2枚目だよ♪3、2、1"
パシャ
―――
『いいの?落書きみたいなの全部云ちゃんに任せて出てきちゃったけど』
「いいんだよ、別に。
それにしてもプリクラって眩しいね。盗撮された気分」
『盗撮されたことあんの?』
「うん、何度か。」
「団長は女共に人気があるからなぁ。外見はヤサ男だし」
『歩く18禁なのに』
「さっきから何?喧嘩でも売ってるの」
「三人とも、プリクラできたぞ」
『まじでか!!見せてみせて!』
目を瞑っていました
『うわ、悲惨』
「綺麗なほど目、瞑ってんな。失敗作だ」
「憂なんて半目だよ。女を捨てた表情だよ」
『黙れェエエ!!!
…つか云ちゃんだけ、目すっげぇキラキラしてない?綺麗に開いてるんだけど』