アリスと暴君兎

□ぐいぐいぐい
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「いいなーぁ。神威くんとプリクラ…」


お昼時間、

和葉ちゃんと弁当を食べながら昨日うつした三人とのプリクラを見せれば、(もちろん目があいたやつ)


羨む声が返ってきた



『そう?』

「私も映したいぃー。カッコよすぎるよ」

『カッコイイ、ね…』



「そういえばさ、
憂は神威くんのこと好きじゃないの?」


和葉ちゃんの質問に、思わず口にいれたご飯をふき出した




「あはは。憂きたなーい」

『…ないから!それは絶対ない!』

「ほんとー?」

『誓うね!神にでもなんにでも誓ってもいい!!』


ふきだしたご飯を片付けながら、ニヤニヤとする和葉ちゃんをみた



私が神威好きって…

ナイナイナイ



恋するなら云ちゃんだよ、云ちゃん。



チョコチップパンくれたし



「あ。憂、今日どか行く予定ある?」

『へ?どこか?』

「うん」

『…えー…と…』


どこか行く予定はないんだけれど、


今日は神威たちと一緒に私に嫌がらせをする犯人の待ち伏せをする日




和葉ちゃんには心配かけたくなくて、



嫌がらせのことは何一つ伝えていない。



だから、
待ち伏せのことも言うべきか…




迷った末に、神威の言葉を思い出した




"心配かけない憂なんて大嫌いだよ"



…やっぱり、和葉ちゃんにはちゃんと言うべきだ






『和葉ちゃん、私ね…』



"今日、私に嫌がらせしていた犯人を、待ち伏せるんだ"






そう言おうと口を開けば、





「憂」



神威が私の腕を掴んで椅子から立ち上がらせた




『ちょ、かむ…っ』

「ちょっと憂借りるよ」

「あ、は、はいっ」



和葉ちゃんにそう言い残すと、

へぐいぐいと私を引っ張っていった








ぐいぐいぐい


『神威!どこまで連れてく気!』

「駄目だよ、言っちゃ」

『へ?』


「待ち伏せは四人の秘密だろ」


# # #

ヒロインたちの話を
盗み聞きしてました




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