アリスと暴君兎

□現れたその人は
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「狭ーいー」


ついにきた放課後、

私たち四人は誰もいなくなった教室の掃除用具室にコソコソと隠れていた




『痛い痛いっ!ちょ、神威おめー他んとこ隠れろよ!!』


「俺、憂と離れたくないんだよ」

『知るか。』

「そこの二人、マジ今隠れてるんだからね?マジメにやってくれない?オジさん気が気じゃない」

「……狭いな」

『つーかさぁ、四人でなんで掃除用具室?いくら広いつってもさコレはないわ』

「そうだよ。阿伏兎、云業。とりあえずお前らは教卓のとこ隠れてろよ」

『いーや。神威いけ』

「いやマジで。本当に。シリアス空気ブチ壊すのやめてくんない」


あー本当、今から犯人なんて現れるのかな。



つーか、もっと緊張感あるもんだと思ってたけど

そこまで大して緊張しな…





ふに。


ふと胸にある違和感




『…今どこ触ったかァアアア!このクソウサギ!!』



バキッ!


私の放った拳は見事、神威にかわされ阿伏っちゃんに的中した




「ぶふぉぉ!なんで俺ェ!!!??」

『神威!マジでコロス!』

「ちょ、…矢沢あまり暴れるなっ!」

「オッサン死ぬ!!」

『神…っ』


"威"と叫ぼうとすれば、神威の手によって私の声は遮られた



「しー…憂、誰か来た」

『…!』


さっきまでの騒がしい空気とは一変して、掃除用具室は緊張感漂う空気になった





コツ…コツ…



……今はもう下校時間なんてとっくに過ぎてるのに、

教室に入ってくるのはオカシイ




「…やっぱり、アイツだ」


神威は隙間からその人物を見るとそう呟いた





……犯人、なんだ



緊張してる場合じゃない。私もしっかり見なきゃ――


ゴクリと生唾を飲んで、私は掃除用具室の隙間からその人物を見た











『………え――…?』











現れたその人は




# # #

憂鬱アリス篇
そろそろ完結!





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